子供の円形脱毛症は仙台中央クリニックにお任せください

子供の円形脱毛症

子供の円形脱毛症

子供に円形脱毛症が発症することは多く認められます。円形脱毛症の発症数の4分の1は、15歳以下の子供であると考えられています。頭髪が抜け容姿に直接影響するために、精神的ショックは大きくなります。家族や学校など、周りの理解、温かい目が大切です。治療に難渋することも多く、その場合には焦らずに治療を続けることが大切になります。

子供の円形脱毛症の原因

子供の円形脱毛症の原因はよくわかっていません。特別な前兆や予兆はなく、ある日突然発症します。原因として有力視されているものとして、ストレスや自己免疫疾患、遺伝が考えられています。

ストレスによる子供の円形脱毛症

強いストレスがかかると、自律神経やホルモンのバランスが崩れ、自己免疫疾患を引き起こし、円形脱毛症を誘発すると考えられています。子供はストレスへの対処能力が大人に比べて弱い傾向にあります。日々の生活の中で強いストレスを受けた場合に、精神的負担を抱え易いと考えられます。精神的なケアが必要になります。

アレルギー体質による子供の円形脱毛症

アトピー体質をもつ子は、アレルギー反応物質に対して、何らかの過剰反応を起こすことがあります。免疫が過剰になっているので、髪を作る細胞にリンパ球が過剰に反応し円形脱毛症を引き起こします。円形脱毛症患者のうち、多くがアトピー性疾患を持つとの報告もあり、その関連性も疑われています。

子供の円形脱毛症における遺伝の関与

子供の円形脱毛症の発症には、遺伝が関与していると考えられています。子供の円形脱毛症患者の約2割には家族に円形脱毛症の人がいるため、円形脱毛症になりやすい体質が遺伝している可能性が想定されています。

子供の円形脱毛症のタイプ

子供の円形脱毛症は症状により分類することができます。タイプ分類が治療法や予後に影響する場合があります。

単発型円形脱毛症

頭皮の1~2ヶ所に円形の脱毛斑を生じるタイプです。部分的に毛髪が抜けます。多発型に進行することがあります。単発型円形脱毛症は、比較的予後が良いことが知られています

多発型円形脱毛症

脱毛斑が多発し、頭皮の全体で数ヶ所生じる脱毛症です。回復しても、繰り返し発症する場合があります。 

蛇行型脱毛症

まだらに毛髪が抜けてしまう脱毛症を言います。脱毛部が蛇行している場合は、長期的な治療が必要となりやすい傾向があります。

全頭脱毛症

脱毛部が全頭に及ぶ脱毛症を言います。多発型が進行し、頭部全体的が広く脱毛していく場合もあります。

汎発型脱毛症

頭髪だけではなく、眉毛やまつ毛などの体毛まで抜けてしまう重度の円形脱毛症です。

子供の円形脱毛症と抜毛症の区別

抜毛症は、自分で毛を抜いてしまう精神的な疾患です。円形脱毛症と誤診されることがありますが、治療法が異なるために、円形脱毛症との区別が必要になります。円形脱毛症は、円形で触るとつるつると平滑であり、周囲の毛髪も容易に抜け易い状態です。これに対し抜毛症は周囲に短い切れ毛が多く、触るとざらざらしていることが多いことが特徴です。抜毛症は、勉強中やテレビを見ているなど、何かに集中している時に、髪を抜いていることが多いようです。抜毛症と円形脱毛症の両者が合併していることもあり、診断に注意が必要です。

子供の円形脱毛症の治療

一般的に子供の円形脱毛症は、大人と同じ治療が行われています。しかし子供の身体は成長過程にあり大人と同様な治療は、副作用を誘発してしまうことがあります。使用を控えた方がよい治療もあります。医師とよく話し合い、年齢や成長の程度に応じた治療を選ぶことが必要です。

子供の円形脱毛症に対するシャンプー

円形脱毛症になると、髪の毛が抜けるのを恐れて、シャンプーをしなくなってしまう方がいらっしゃるようです。しかしこれは却って逆効果になります。シャンプーを行わないと、汚れや油分が毛穴をふさいで、さらに抜け毛が誘発されてしまうからです。通常の頻度で洗髪を行うことが必要になります。

子供の円形脱毛症に対するハーグ療法

ハーグ療法が、子供の円形脱毛症に対し効果を有することが知られるようになりました。ハーグ療法は成長因子を直接、頭皮に注射する治療法です。毛根の毛母細胞が活性化することにより、頭皮の改善、発毛、育毛、脱毛抑制が期待できます。アレルギーの心配はありません。毛根の細胞を活性化して発毛を促すという作用機序になりますので、毛根の機能が残存している発症早期がより効果的です。早めに御相談いただくのが有効です。

子供の円形脱毛症治療に対するハーグ療法のリスクやデメリット(稀なものを含む)

  • 薬液の注射には痛みを伴うことがあります。
  • 頭皮の炎症や痒みを生じることがあります。
  • 頭皮に色素沈着が生じることがあります。
  • 悪性性細胞が存在していた場合、増殖を否定することはできません。
  • 頭皮の腫れを認めることがあります。
  • 細菌感染を合併することがあります。

子供の円形脱毛症例写真

円形脱毛症の治療

15歳、男性。子供の円形脱毛症、ハーグ療法
症例経過:数年前に発症した子供の円形脱毛症症例です。美容室に行った際に側頭部に円形脱毛を指摘されて、その存在に気付きました。心配になり近所の皮膚科を受診して円形脱毛症と診断され、液体窒素による局所療法や外用薬を処方され使用していましたが、円形脱毛は改善することはなく、むしろ徐々に拡大していきました。学校や社会生活に影響しないか、友人からの変な目で見られるのではないか、心無いことを言われることがないかと不安な日を過ごしていました。ぜひ治療したと思い、インターネットで検索したところ、ハーグ療法が円形脱毛症に対して効果があることを知り、ハーグ療法に望みをかけて御来院いただきました。診察したところ側頭部に円形の脱毛部位が認められました。すぐに治療を希望され、ハーグ療法を開始しました。脱毛の進行がなくなり、脱毛部位に発毛が認められ、範囲が縮小していきました。脱毛部位が小さくなり、通っていた美容室でも吃驚されたようです。
症例解説:子供の円形脱毛症は、ある日突然、髪の毛が抜け落ちることで発症します。子供だけでなく家族にとっても、ショックは大きいようです。見た目を気にして外出を嫌がって引きこもりがちになってしまう例や、登校拒否をする例があります。周囲からの偏見に曝されないよう、友達や学校の理解が必要です。長期間にわたり完全に生えなくなってしまった状態から毛髪を生やすことは難しくなるため、脱毛が広範囲に及ぶ前に早期治療を開始することが重要です。毛根部分が残っていれば、回復の可能性があり、ハーグ療法の適応となります。ハーグ療法は、注射する際に痛みや痒みのデメリットやリスクを認めることがあります。効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。術前に十分説明を受けてください。